「 ボルテージが最高潮 !」
ライブ会場、スポーツ実況、SNSの盛り上がり投稿などでよく見かけるこのフレーズ。
でも、ちょっと待って。「ボルテージ」ってそもそも何?「最高潮」と組み合わせて意味が通るの?
ボルテージ=電圧?それともテンション?
「ボルテージ(voltage)」は英語で「電圧」を意味します。
つまり、電気の世界では「電流を流すための力」のこと。単位は「V(ボルト)」。
でも日常会話では、電気の話じゃないですよね。
「ボルテージが上がる」「最高潮」などの使い方は、感情の高まりやテンションの比喩として使われています。
これはいわば「電気の勢い=人の興奮」に置き換えた表現。
テンションが上がる → ボルテージが上がる、という感覚的な連想です。
違和感ポイント:「最高潮」との組み合わせ
「最高潮」はもともと「波の高さが最大になる瞬間」から派生した言葉。
感情や盛り上がりのピークを表す比喩として使われます。
でも「ボルテージ」と「最高潮」を並べると、ちょっと混乱しませんか?
・ボルテージは「数値」で表せるもの(電圧)
・最高潮は「状態」や「瞬間」を表すもの(ピーク)
つまり、「ボルテージが最高潮」という表現は、
「数値がピーク状態にある」という二重比喩になっていて、
理屈で考えるとちょっとチグハグ。でも、感覚的には伝わる。
この違和感こそが、言葉の面白さ。
「電圧が最高潮」なんて物理的には変だけど、
「テンションが爆発寸前!」というニュアンスはしっかり伝わる。
なぜ使われる?──言葉の「熱量」を上げるため
「ボルテージが最高潮」は、単なる「盛り上がってる」よりも
熱量が高く、エネルギー感がある言葉です。
・「テンションMAX」よりも物理的で力強い
・「盛り上がってる」よりも瞬間的でドラマチック
・「最高潮」だけよりも、数値的な高まりを感じさせる
つまり、言葉の「熱量」を上げたいときに使われる表現なんです。
まとめ
「 ボルテージが最高潮 」は、感情の高まりを電気的に表現した比喩。
理屈ではちょっと変。でも、感覚では伝わる。
そんな言葉のズレや違和感こそが、表現の面白さを生むのです。
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