「球団の フロント が動いた」
この一文、初見では「現場の監督や選手が動いたのかな?」と思いがち。でも実は、野球界で「フロント」と言えば、現場ではなく“裏方”の人たちを指します。
「フロント=前線」という英語の語感と、「フロント=経営陣」という野球用語のギャップ。今回はこの“違和感”を軸に、野球のフロントとは何者かを解説します。
「フロント」の正体と役割
「フロント」は球団の経営・運営スタッフ
・球団の経営陣、編成部、広報、営業などを含む総称
・選手や監督とは別の“組織側”の人々
・監督やコーチの人事、選手の契約交渉、スポンサー対応などを担う
なぜ「フロント」なのか?
・英語の「front office(本社・経営陣)」が語源
・MLBでは「front office」が一般的に使われている
・日本では「フロント」と略され、現場との対比で使われる
主な役職と役割
役職名 | 主な役割 |
---|---|
ゼネラルマネージャー(GM) | 選手編成・契約・トレードの決定権を持つ |
編成部長 | スカウトやドラフト戦略の統括 |
広報部長 | メディア対応・情報発信の管理 |
営業部長 | チケット販売・スポンサー対応 |
球団社長 | 経営全体の統括、予算・方針の決定 |
「フロント=前線」じゃないの?
・「フロント」という言葉は、英語では「前線」「最前列」の意味もある
・しかし野球では「現場(フィールド)」の対義語として使われる
・「フロントが決めた」「フロントの意向」など、現場との距離を感じさせる表現が多い
この語感のズレが、野球初心者やIT・ビジネス畑の人にとって“違和感”になるのです。
まとめ
「フロント」という言葉は、野球界では“裏方”であり“司令塔”です。選手や監督がグラウンドで戦う一方、フロントはデスクで戦略を練り、交渉し、球団を動かしています。
言葉の違和感は、業界の構造を映す鏡。「フロント」という言葉に込められた“裏の力”を知ることで、野球の見え方が少し変わるかもしれません。
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