「 中秋の名月 は年に1回」──そう思っていませんか?
実は、まれに“2回”ある年が存在します。
しかもそれは、月の動きや暦の仕組みが生み出す“違和感のある現象”なのです。
今回は、「なぜ中秋の名月が2回ある年があるのか?」を、
旧暦・月齢・UX的な視点から読み解いてみます。
中秋の名月とは?
・旧暦8月15日の夜に見える月のこと
・「十五夜」とも呼ばれ、1年で最も美しい月とされる
・現代のカレンダー(太陽暦)では、毎年日付が変わる
つまり、「中秋の名月」は旧暦ベースの行事。
月の満ち欠けを基準にしているため、太陽暦とはズレが生じるのです。
なぜ“2回”になる年があるのか?
答えは「閏月(うるうづき)」の存在です。
閏月とは?
・旧暦は1年が約354日(29.5日×12ヶ月)
・太陽暦(365日)と比べて約11日短い
・このズレを調整するため、約3年に1回「閏月」を挿入
・閏月が入ると、1年が13ヶ月になる
閏8月が入るとどうなる?
・通常の8月 → 中秋の名月(1回目)
・閏8月 → 中秋の名月(2回目)
つまり、旧暦8月が2回ある年は、十五夜も2回訪れるのです。
この2回目の十五夜は「後の十五夜(のちのじゅうごや)」と呼ばれます。
実際に2回あった年は?
・1995年(平成7年):9月9日と10月9日に中秋の名月
・次回は2052年:同様に2回の十五夜が訪れる予定
これは非常に珍しい現象で、数十年に一度しか起こりません。
だからこそ、「中秋の名月が2回ある年」は話題になるのです。
なぜ混乱するのか?
・「十五夜=満月」と思っている人が多い
・「旧暦=現代のカレンダー」と思い込んでいる
・「年に1回しかないはず」と思っている
この“思い込み”が、2回あることへの違和感や混乱を生むのです。
でも、暦の仕組みを知れば、「なるほど」と納得できるはず。
まとめ
中秋の名月 が2回ある年は、
月の動きと暦の設計が生む“美しい違和感”です。
・旧暦は月の満ち欠けベース
・閏月で1年が13ヶ月になることがある
・旧暦8月が2回あると、十五夜も2回になる
この現象は、暦のUX設計と文化の交差点。
「月を見上げるだけじゃない、意味を読み解く楽しさ」がそこにあります。
コメント